道東ツーリング(2009/09/19 釧路-湿原-標茶-厚岸)
6時20分ごろ自転車を抱えてロビーに下りると中学生の部活集団がすでに無料朝食に行列していました。やっぱりさっさと6時に出ればよかったかな?と思いつつ、当初からバタバタ予定(といっても昨晩考えた)を変えないほうが良いということでそのまま並び、おにぎり3つとお惣菜、味噌汁を食べて出発。おにぎりを補給で持っていこうかという考えも浮かびましたが、居酒屋のおにぎりと同じで昼は美味しくなくなるかもと思ってやめました。将来(いつだ?)ツーリング三昧の生活をするようになったら、たぶん持ち出すようになるのだろうし、今はいいでしょう、などと将来に対する漠然とした悲観的収入見通しを連想しつつ(ひもじいでだしですみません)、霧がまだ晴れない町をゆっくりと海沿い、帯広方面へ走り、新富士駅あたりで右折して日本製紙や、日本製紙に癒着隣接している道新印刷工場の前を通ると、ああ北海道に来たのだ、と頭がようやくツーリングモードに切り換わってきました。
道道釧路阿寒自転車道(湿原の夢ロード)に入り5kmほど釧路湿原道路に出るまで走りました。阿寒自転車道は釧路市昭和から釧路市阿寒町までの総延長24,4kmの自転車道だそうです。途中までは自転車道と歩道の区別がありますが自転車とすれ違うことはなく、マラソンびとの練習ロード兼犬の散歩コースになっているようです。
途中から歩道がなくなるのでマラソンびとも最初から自転車道を走るでしょうね。こんな感じのまっすぐ道、葦の湿原のなかを進みます。よく整備されていて路面もとても走りやすいです。いつの間にか人家もなくなってきました。
バッグ(もともとサドルバッグですがフロントにつけたのです)がワイヤーに干渉するようです。荷物を入れて走ったことがなかったので気づきませんでした。バッグの予備ベルトを装着したり、東横インでもらってきた?タオルをステム前にはさんだりして対応してみました。
あまり格好はよくないし、振動があればやはり干渉するのですが、しかたありません。帰ってからうまい対応を考えなければ・・・・鶴野のあたりで釧路湿原道路に出たので自転車道はここで離脱して右に曲がりさらに湿原を進み、やがて大きく右に曲がります。
新釧路川を渡りさらにまっすぐまっすぐ釧路湿原道路を進むとやがて遠矢、国道391号に出ます。まずは釧路湿原の東側に位置する細岡展望台に向かうのです。少し湿原から離れてアップダウンを経て達古武を左に入ります。
細岡に向かう途中でさっそくキタキツネに出会いました。もっと汚れていると想像していたのですが、思っていたよりきれいでした。しばらくこちらをじっと見つめていましたが、ゆっくりと林に引っ込んでいきました。こんなふうにツーリング中あちこちでキツネを見かけることになります。
展望台への道はまずは達古武湖とその湿原沿いです。片道7kmほど。ゆっくり走るには魅力的な道で、本当はもっとゆっくり立ち止まりながら行きたいところですが、旅程の最初から遅れてしまうわけにもいきませんので、写真を撮っただけです。
こちらは釧路川(ということだと思いますが)ですね。展望台から見るとゆったりと大きく蛇行しているさまがわかりますが、近くで見てもゆったりと流れています。こんなふうに見える区間はほぼ一瞬でだいたい葦に隠れて川は以下の3枚のように見え隠れする感じです
道はほぼ舗装されていて、細岡駅を過ぎて展望台への道がややダートになっていますが数百メートル程度でした。ぽつりぽつりと車やバイクが展望台へ向かっていきました。
展望台からは釧路川の蛇行と湿原の広がり、今日は残念ながらややぼんやりしていて見えませんが、背後には雄阿寒岳・雌阿寒岳を望むことができます。
この展望台は美しい夕日を見ることのできることで知られていますがその時間帯には今回はいけませんね。
しばらくぼんやりと眺めたり写真を取ったり、「釧路湿原自然再生プロジェクト」の方がアンケートを採っていたのでそれに対応したり(アンケートに回答したご褒美として飴玉をいただきました)して、もと来た道を戻り、国道へ復帰しました。細岡はアクセスも良くて比較的メジャーですが(私もだいーぶ前、冬でしたが来たことがありました。)、次の目的地のコッタロ展望台は行ったことがありません。自分としては今日のメインとなります。アップダウンを経て、とうろを過ぎたあたりへ道道1060号に入ります。サルボ展望台はアクセスしやすいので次の機会にします。
道道1060号クチョロ原野塘路線は湿原を横断するコッタロ展望台までの6km程度がダートで砂利道です。車などが通ると砂煙があがるので、バスが通るとちょっとやり過ごしたり、タイヤが滑るので慎重に運転する必要があります。
途中の橋でもバイクが転倒しているのを見かけました。(転倒しているときは写真は撮りませんでした)国立公園というだけでなくラムサール条約等世界的な湿原ですから植生、景観を守るためにも舗装はされないはずです。
橋からは釧路川(コッタロ川がやがて分流)のゆったりした流れを観る事ができます。転倒バイクをやり過ごすという口実でちょっと立ち止まって休みました。朝方は雲が多かったのですがこのあたりでは一気に晴れてきました。
ダートが終了するとコッタロ展望台に到着です。コッタロ湿原では、ヨシ・スゲ湿原が広がり、コッタロ川や無数の沼が散らばっている様子をみることができます。何万年もを思わせるとさせる景観です。展望台は5分ほど登ったところにあります。
写真では見えませんが、コッタロ湖のほとりではエゾシカの親子が草を食んだり子供同士でじゃれたりしていました。誰もいなかったので、今来た道やコッタロ湿原、湖、コッタロ川を眺めたり、見たことのないクラシックなトンボ(希少な種らしいです。名前はわかりませんが・・)が飛んでいるさまをぼんやり観ながら、しばらく湿原の風に身をゆだねておりました。
コッタロ展望台の景観と雰囲気に満足し、展望台を降りてバイクの人たちと二言三言会話してから道道1060号を進み、道道243号、道道1052号と進むと湿原は終わり、牧草地中心になってきました。私にはこのへんの地名がややこしいですが中久著呂とか中御卒別とかそんなようなアイヌ語由来の当て字地名です。せっかく表音文字を持っているのだからカタカナにすればよいのですが。このあたり某国の少数民族政策を連想させますが案外、日中上層部は学びあっているように思います。
まあ、そういう辛口な感慨はともかく暑くなってきたので、国道274号に入ってからしばらくして飲み物休憩。ここはその中オソベツ(写真の看板にある名称は個人名です)の弟子屈との分岐点です。今回は結局弟子屈の周縁部をサイクリングするのですがその弟子屈には行かないのでした。
国道ではありますが交通量は僅少で快適に走れます。陽気もよく爽やかです。
もう秋ということもあってか、旅を通じてアブにまとわりつかれることもほとんどありませんでした。
その快適な国道274号も標茶で終わりで、交差点で直進、道道14号を厚岸に向かいます。このころだいたい2時前くらいで、陽射しがやや弱くなってきたようです。5時15分には日没になるので夏のサイクリングより早く宿に到着する必要があります。冷え込みも夏より厳しいですし。
上チャンベツ、中チャンベツを通り過ぎ、国道272号(ミルクロードと呼ばれているようですが、釧路から標津を結ぶ国道)と交差して直進するとだんだん陽が翳ってきました。今日は例年よりやや高い温度だったようで、まだウインドブレーカーを着るほどではありませんが。
牛が時たまびしっびしっとむちで打たれながら、牛舎へ戻っていきます。南部牛追い唄でも歌いたくなる光景です。国道を過ぎると牧草地と湿原が繰り返す感じで、やがていかにも開拓地の太田集落を通過するとまもなく厚岸です。
秋と夕方が混在したようなちょっとさびしい牧草地。ここは太田よりは前だったかもしれません。
まもなく厚岸の町に入り、海と同じくらいの高さの橋を渡って、今日の宿泊先の厚岸愛冠ユースホステルに向かいます。
ユースホステルは漁港にあるのですがすぐ近くにエゾシカの親子がいました。こんなところにもいるのですね。ちょっとびっくりです。遠藤旅館の看板を頼りに4時半に到着(このYHは旅館もかねています)。食事前に入浴や洗濯などをすませることができました。
YHの宿泊者で食事を取っているのは私を含めて男性2名、女性1名だけでした。男性はバイクで、女性は公共交通機関利用で羅臼岳に行くとかで、2人とも関東からでだそうで、私より一回り若い人たちです。シルバーウイークで飛行機も満席だったのにYHの宿泊者が少ないのは意外でしたが、こんなものなのかもしれませんね・・・食事もでっかいカキ、新鮮な近海魚の刺身、冷凍してないサケなど豪華なのですが・・・ご飯も大盛り2杯食べて、瓶ビールも1本飲んで、初日でやはり疲れたのか、早々と8時ごろ寝ました。素泊まりでもう2名、相部屋で入ってきたのですが朝になるまで気づきませんでした。
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こんばんは
道東の旅わくわくして読んでます。
ボクはシルバーウィークに逗子から千曲川源流を経由して信濃川河口まで走りました。
まだ、飛行機輪行したことがないので、どんなパッキングされたのか、ご紹介いただけると嬉しいです。
投稿: ぼく@ハヤマ | 2009/09/27 18:52
シルバーウィークなのですでに戻られているのですね。
続きの記録を楽しみにしています。 私の方はシルバーウィークは通常出勤で、明日からも通常出勤ですがその次の週はまた十勝に一週間ほど出張になってしまいました。
その後も毎週週末は行かなくては行けない雰囲気になっているので、いっそのこと1台自転車を置いておきたくなりました。
投稿: Kobayashi | 2009/09/27 23:06
ぼく@ハヤマさん。
おはようございます。本州横断、おつかれさまでした。やはり達成感は重要ですよね。
さて、飛行機輪行ですが、とりたてて工夫はしていないのですが最終回に紹介しようと思います(写真はとっていませんが)。どちらかというと飛行機より空港からのバスの類がこわそうな・・国内線は安全だと思いました。鉄道輪行で自分であちこちぶつけたり、置いているときに(故意でなくても)蹴られたりトランクをぶつけられたりのほうが壊れそうに思いました
投稿: とし@鎌倉 | 2009/09/28 08:12
kobayashiさん
おはようございます。終わって記録を書くことで2度旅を楽しんでいます。
十勝によく行かれるのですね。出張で飛行機輪行というわにもいかないでしょうから、自転車をトラベルバックなどで輸送(サイクリングヤマト便)しておいて楽しまれるとよいと思います。ご存知の通り、週末は中札内方面は混んでいるようですが、東十勝全般、雰囲気がとても良いです。
投稿: とし@鎌倉 | 2009/09/28 08:16
こんばんは! 十勝は分室(事務所)があり、そこの管理も担当しているので出張というより通勤みたいなものです。
自転車を置いておいてそれで巡回して点検する方法も考えたのですが、広大だし熊が怖いしで車の生活になってしまいますね。
事務所はとかち帯広空港に行くよりも花畑牧場に行ったほうが近いような位置関係です。
投稿: Kobayashi | 2009/09/28 21:49
そうですか!熊が出るかもしれないところとは、いい場所に「通勤」なのですね。週末にまたがるようなら、週末に乗るのもいいのでは?まあ、気候的に10月までかもしれませんが・・・
投稿: とし@鎌倉 | 2009/09/29 06:32