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2020/10/11

2020北海道秋 9日目 事実上最終日 9/26 中富良野-桂沢湖-栗山-千歳

北海道9日目ということになるが、走るのは最終日。

小さい旅の小さなエピソードばかりだけど、毎日印象深いものでありました。

1日目のカフェと農家のような宿 2日目岩尾内のスコールや下川の夕ご飯 3日目 淋しい道道とトロッコ王国、酪農家との会話 4日目 天塩川と最北の水田 遠別の商人宿 5日目 初山別の緑 フェリー旅 島の宿からの北海道 6日目 焼尻島サイクリングと移住者のカフェ、年中旅の空のような仕事 7日目 痛恨の大もり蕎麦 8日目 十勝岳の威容 宿の冷酒とおしゃべり 毎日眺め続けたいろいろな色の農地と自然に還った樹林帯と太古の昔からの原生林、青空、鈍色の空、雨、ぬれた路面、でこぼこの路面、間をあけて抜いてくれる車、前方車を追い抜く車が対向車線をはみだして向かってくる恐怖、ほっと見上げる白い雲、碧い海、宿の窓からの漆黒の闇、思いだすときりがありませんが、さまざまな情景や人々が脳裏に鮮やかによみがえってきます。

そして今日も元気で走れることに感謝感謝です。

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6時40分。雨はほぼ止んでいました。なんとなくぽつりぽつり落ちてきているかな?と感じる程度です。

出発。宿からは下りで手がかじかむかと思い、指切りでない手袋をはめて出発。

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ひとまず下りは快調でしたが、降りてから強烈な向かい風と顔が痛い本降りに襲われて、またまた這う這うの体で富良野駅付近の市街地にたどり着き、ほっとコーヒー休憩をしたのでした。かじかむ手が温まるのを待ってから出発。雨はもう止んでいます。風がひどいのはたぶんこのあたりだけだと踏んで(富良野まで少し時間がかかったけど)予定通り進みます。

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いったん国道38を進み、道道135で夕張国道へ。ながーいトンネルを過ぎるとゆるやかにくだっていき、国道452へぶつかります。

途中三段滝で休憩しましたが滝はパス。そういえば、バイクの若い人に「ランドナーのシルエットがいいですね」といわれました。なるほど、そのように感じてくれる若い人がそれなりにいるなら、このようなタイプのツーリング車も滅びないかも。

私は旅することや(遅いけど)走ることやそのための計画や装備(衣類含む)に関心があって、装備は自分の方向性に役立つかどうか、好き(自分なりにかっこいい)かどうかが基準。それが当然と思ってこの世界に少し深入りしてみると、まったく当然ではなくて、むしろ部品や工作に関心の強い人が多いようでそこから外れると関心が薄れる人も少なくないことに気づきました。このタイプのツーリング車の衰退とともにそうなったのか私にはわからないけど、違和感は感じていました。ランドナーという用語さえ術語ぽくって自分から使うのは少し気恥ずかしく感じます。昔々学生の時は友人のランドナーを借りて北海道を回りましたが、所有しているロードだと長旅は厳しいと思ったからにすぎません。ただ、乗っていて何日でも心地よいし、悪天候でも宿では汚くないし(ロードは汚くなるのがいやだった)、日本の風景に合うような気がする、戦闘的でないところが好き、といったところでしょうか。岩手か北海道あたりに住むんだったら、日帰りで走る距離が長くなるしロードが1台欲しいけど、部屋で保管するのは3台が限度と決めたので、ロードを所有するなら1台処分しないといけません。今のところそこまでは及ばないといったところです。

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夕張国道、単調といえば単調ですがなかなかのびやかです。桂沢湖はあちこち工事中で、そそくさと三笠方面へ。

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かつての幌内線の終着駅である幾春別にて、ソフトクリームと炭鉱。アンモナイトも売ってました。石炭ザンギはまた今度・・

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旧唐松駅。家族の写真がたくさん貼ってありました。

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三笠にもトロッコ鉄道がありました。旧路線を利用したものなのかは知りませんが・・

道道30号に入り南下。景色はいいですが、交通量は多くなりました

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道道から脱線したり、栗山からは農道をジグザグしつつ、だだっぴろい農業地帯を千歳目指しました。

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千歳のイートインでザンギカツカレーを食べてからビジネスホテル(千歳エアポートホテル)に向かいました。

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ホテルの駐車場スペースで輪行作業をして今回の自転車旅はほぼ終了となります。作業中、従業員さんが灯りをつけてくださいました。

あとはあした朝一番の便で帰るだけとなりました。ホテルからのシャトルバスに自転車も積み込めるとのことで一安心。

 

コース

(道道705で中富良野へ、風に呻吟しながらじぐざぐと富良野/国道38/道道135/国道452桂沢湖/道道116/917/30で栗山/道道45で長沼/農道を適当に千歳 143km)

今回、コロナ禍で、営業している宿は比較的予約しやすかった反面、休業していたり道内客に限っていたりする宿も多かったようです。いずれにしても頼りにしていたインバウンド客は蒸発、日本人客を見直すきっかけになった面もあるようで、それはそれで私としてはありがたい。多くの日本人客も外国人が消えて旅行しやすくなったと口にしていて、私も率直に言って今回は同じように感じました。しかしインバウンドは経済面に加えて新たな視点を提供してくれるというプラス面もあります。

歌登途中の牧場で話しかけられたとき「自転車で来る日本人はいない」と話していました。実際は某Tネット主宰の方が何度も通過しているはずだし或は検索するとブルベのコースにもなったりしているようですが、牧場前を通るサイクリストは西洋人が多いとのことで、一緒に写真を撮ったりしているとのことです。目の前を自転車人が、しかも外国人が通りすぎるとなると、毎日過酷かつ単調ともいえる酪農生活にもアクセントになるのでしょう。サイクリストとしては、車や人の少ない牧草地や原生林を走りたいというのは本来普遍的なもので、野生動物の危険は少しあるものの、数人いれば遭難の可能性も低い、安全なサイクリングコースとも言えることに私も気づきました。関東から見ると遠隔でなんだか日本の中の辺境ととらえてましたが私の目が曇っていたようです。こうした小さな示唆が実はたくさんあることも、外国からの観光客を自由に迎えることの小さな意義の1つかも。個人的な話になりますが、私自身は自分の休日をつぶされるのが嫌とか、協同作業が嫌いとか我ながら困った性分でインバウンドの仕事をすることはありませんでしたが、仕事ということでなくても個人も国家も外からの刺激は必要で、インバウンドを経済的意義だけで測ったり(もとい経済的意義は大事ですが)、外国人の行儀の欠如を揶揄するばかりではつまらないと改めて感じたことでした。

そんなこんな、今回の北海道行も充実したものになり、思い出深い自転車旅となりました。北海道は初夏のできたら(来年たぶんある?)五輪前に行ってみたいものです。

翌日は予定通り順調に戻りました。自転車は担いだだけなので旅行記はここまでとします。相変わらずわけのわからぬ雑文ですがもし読んでくださった方があればありがとうございました。(了)

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コメント

こんにちは。
9日間におよぶ北海道ツーリング、このコロナ禍を払拭するような旅でしたね。
としサンの日記はとても読み易いです。自然な言い回しで素直に入ってきます。所々にある意見的な文章もアクセントになっていていいです。通勤の行き帰りで読みました (^^)
「ランドナー」に対する気持ちには僕も同意見です。としサンやぱぱろうサンら、走るランドナー乗りこそが本来の姿だと思っています。

INTER8さん、こんにちは。拙文読んでいただきありがとうございます。
コロナ禍は適当にやり過ごしているものの、走りに出るペースは確実に落ちていて走る・・・とのお褒めはお恥ずかしい限りですが、車の少ない環境になれるとウチのあたりなど近場はちょっとつらいところです。
輪行なり運搬なりがクリアできれば、北海道はリカンベントの旅行に向いていると思います。前方からの追い抜き車対策で前照灯点灯や旗などあったほうがいいかもしれませんが、坂が緩いし、風があっても空気抵抗に強そうだし、足を(上下でなく)前後へ動かすほうが動力的に合理的で、あの長い直線道路だと自転車で走る快楽をより感じられそうです。

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