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2024/08/04

黒部五郎岳 三俣蓮華岳(折立から新穂高 山歩き)

30日富山駅東横インにて前泊、小屋3泊で折立から新穂高まで歩いてきた。昨年の北岳間ノ岳農鳥(広河原前泊で山中2泊)以来の縦走。3泊といっても3泊目のわさび平小屋はほぼ新穂高近くではあるが、山中3泊が苦にならなければ今後、諸々の山行計画の実現も現実的になるので是非ともクリアしたかった。この夏のメインイベントである。

 

31日は富山から折立(8時20分着)までバス。満席であった。バスも山小屋も1カ月前に予約していた。

北陸は梅雨明けが遅れたが、この旅程なら安定すると踏んで予定を組んだ(コロナ以後、山小屋は定員超過をやめて予約制となった。詰め込まれることがなくなったのは幸いで私もその方針は支持してるけど、事前の旅程を組むのはなかなか大変である。ただし直前やりくりでもなんとかなるかもしれない)のだがもちろん不安だった。幸い、初日の朝に雨が残る予報はあったものの(実際は降らなかった)、ずっと天気は良さそうだ。

折立からは昨年も薬師岳登山で通ったのでペース配分は問題ない。前半のペースを抑えて水分を摂れば大丈夫だ。雲が多く翌日からの暑さに比べるとまだ凌ぎやすかったのも幸い。12時20分には宿泊の太郎平小屋に着いた。雲の平方面なら薬師沢小屋まで進めるが、今回は黒部五郎岳に行くのだ。

曇っていたためか午後は半袖(キャプリーン、ライトウエイトなので薄い)では寒いくらいだった。

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(太郎平にて。曇っていたがガスはかかってなかったので遠景は望めた。明日からの山行気分も高まってきた)

8月1日は黒部五郎岳を経て黒部五郎小舎まで。行程自体は長くないので、小屋で朝食をいただいてから6時出発。汚い話で申し訳ないが、快食快便というけど、術後は快便とはならず食事しないと出ない。旅の初日や睡眠不足、朝ヨーグルトなど食べたりするとしばしば2回催すのでそうなると途中で大変。要は消化器が術前よりデリケートになったわけだ。食後落ち着いてから出発することとなる。特に今日は途中で施設の類はない。

まあ、そういった小問題さえクリアすれば山歩きは幸福そのものである。

朝は8時過ぎ(北の俣岳付近)までは涼しかったけど以降は日差しが強くなった。サングラス必須だ。黒部五郎岳というと北アルプスの奥地というイメージだが、最近は飛越トンネルから日帰りで往復する登山者もいるようだ。太郎平小屋に連泊して黒部五郎を往復する登山者も何人かいた。カールを歩かないのは勿体無い気もするが、マイカーアプローチだからであろう。実際は太郎平からの往復も結構長い。

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(左 朝の薬師岳  他 北の俣岳付近)

暑くなってきたけど、快晴の稜線で気分は高揚。何度見てもさっぱり覚えられない色々な花に一息したり、雷鳥のそばを静かに通り過ぎたりしつつ、赤木岳や乗越などアップダウンを凌ぎ、いよいよ最後の黒部五郎への登りをジグザグ登って11時15分山頂着(山頂は広く、小屋でお願いした弁当を食べつつ1時間近く休み)。

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(黒部五郎岳にて。いうまでもなく大展望であった。槍穂高、笠はもちろん鷲羽、水晶、赤牛、薬師、剣、鹿島槍はくっきり。名前はわからないけど中央アルプス方面、北陸方面の山々もよく見えた)

名残惜しいが、見事な光景のカールを降りながら小屋に向かった。ここは逆コースの方が感動が大きかったかもしれない。

途中の沢で(褒められた行為ではないけど)ちょっと足と上半身水に浸しつつ、樹林帯を経て小屋には2時45分ごろ着いた。

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(カールから小屋まで)

太郎小屋では一人のスペースは畳1畳くらいだったが、黒部五郎小舎は畳1畳プラス仕切り板があって、部屋の隅にも荷物が置けたのでかなり余裕があった。しかも北アルプスはトイレが綺麗だ。去年の南アルプスは北岳山荘はともかく農鳥や大門沢は旧式だった。

こんなに奥地なのに部屋も綺麗だった。コロナ以後はインナーシュラフが奨励されているから使ったけど、なくてもいいかなという感じであった。(太郎平は布団がちょっと汗臭かったのでインナーシュラフ使った。翌日はお風呂も入れる山小屋でインナーシュラフは使わなかった)でも下界ではコロナ流行っているらしいね。

そういえばオリンピックもやっているらしい。今回は東京五輪ほど関心がない。時間帯が合わないのもあるし、東京五輪の時は抗がん剤治療中で自分でできることがあまりなかったから選手たちの活躍にエネルギーをもらったのだけど、今は自分でできることが増えてきて、やりたいことが次々に浮かんできて精神的に忙しくなったからであろう。

2日は三俣蓮華、双六岳を経て鏡平小屋経由でわさび平小屋まで。

朝は弁当にしてもらって4時前に起きて食べた。昼は小屋が2ヶ所あるし、携帯食もあるのでどうにでもなる。お湯をもらっていけばOK(水は宿泊者は無料)。5時ごろ出発。

山小屋から三俣蓮華へはまず樹林帯を登って稜線に出る。前から感じていたが充電器がとうとうイカれたらしく充電があまりできなかったので、要所要所でスマホを起動して写真を撮ることとした。

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(三俣へ登る途中で朝日の黒部五郎をのぞむ。今日も快晴)

7時すぎに三俣蓮華に到着(30分休み)。高校の合宿で来て以来なので43年ぶりくらいかな?もちろん三俣からの景色は思い出せないし、部員や顧問の苗字やあだ名は覚えてるけど同期はともかく先輩後輩の多くの人名は忘れてしまった。ずっと山歩きを続けていれば折に触れて思い出して記憶に留まるのだろうけど、山歩き自体30年の断絶があるし、昔の写真とかアルバム、合宿のしおりの類も処分してしまったし、その後の人生もそれなりに起伏があったから、ずっと思い出すこともなかった。今になって、こういう山歩きをするのは、膵臓癌手術からの300名山に行こうと決心(全部は無理だと思うけど270くらいは)したからだけど、仕事面については成果はともかくとして自分の生き方に忠実にやりたいようにやったと感じているものの、趣味の分野ではやり足りないと感じたからかもしれない。

そんなこんな感慨を持ちつつ、そうはいっても今日の旅程は長いので、双六岳に向かうとしよう。

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(いずれも三俣蓮華山頂にて  左から 槍穂高  黒部五郎  薬師岳   一番右の画像は鷲羽、ワリモ、水晶、赤牛、手前に祖父岳、右下に三俣山荘、左の台地が雲の平で肉眼でも雲の平山荘が見えた)

稜線づたいに丸岳をへて双六岳へ。

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(双六山頂にて  右は笠ヶ岳)

この辺りの花々は見事だった。

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(ハクサンイチゲとシナノキンバイかな??他にも稚児車など小さいけど健気かつ豪華絢爛に咲いていた)

双六岳から双六山荘へ降りるときの槍に向かっていく図も感動的ではあったけど、この山行では槍はちょっと見飽きたかも、なんて、罰当たりなことを言っちゃいけないね。

双六小屋と鏡平小屋で休憩してからズンズンとわさび平小屋に降りて行った。

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(左 双六小屋 右 鏡平小屋でのかき氷)

3時10分くらいにわさび平小屋に到着。

お風呂があるし、歯磨きも普通に歯磨き粉をつけて良いとのこと。スッキリした〜やっぱり街の人だね(笑)

3日 6時に出発。1時間ほど歩いて新穂高ロープウエーバス停から平湯温泉でバスを乗り継ぎ松本駅に出て帰った。

幸福感に包まれた山行が終わった。次の山行も控えているけど、今は何も考えられない。

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がん手術後の300名山歩き」カテゴリの記事

コメント

とし様、
素晴らしい天気と景色に恵まれたとても良い山行でしたね。
 高校の時の合宿を思い出すのは私も同じで、夏合宿で行った南アルプス南部を再訪したときに同じ感慨を持ったことを思い出しました。
 メインイベント完遂おめでとうございます。まだ次が控えているのですね!期待します。

zenさん、コメントありがとうございます。
泊まりサイクリングでは雨が続くことが多いのです(サイクリングだと雨予報でも日程変更しませんが)が、今回3泊ともずっと好天とは。。。好天運を使い果たしたかもしれません。念願の縦走ができ感慨無量です。
zenさんも山の部活だったのですね。私はサイクリング部があればそちらにしたでしょうけど、公立の高校で山しかなかったです。さほど輝かしい思い出もなく記憶も薄れてますが、やっとの思いで登ったのをうっすら思い出して、懐かしくは感じました。でも懐かしむのはほどほどにしてまだまだ新たに思い出を更新していこうと思います。あと、一つずつでも花の名前を覚えたいです(笑

としさん、こんにちは。
台風10号がようやく消えたので、黒部五郎岳に行って来ました。
コースは折立発着、前泊(車中泊)で、太郎平から薬師岳往復、雲の平、三俣山荘
から鷲羽岳往復、そして黒部五郎岳から太郎平とテント泊で周りました。
どちらから周ろうと迷いましたが、としさんが書いた通り、下から見上げた時のカールの
大迫力と山頂からのパノラマ、絶景に大感動しました。それに、周回した事で、今まで
歩いてきたコースを一望出来たのも良かったです。
ありがとうございました。
車との事故、災難でしたね。私も最近、自転車に乗っているのが怖いと感じることが
多くなりましたが、涼しくなったら車の少ない峠みちに出かけたいと思っております。

すどうさん、こんにちは。
黒部五郎岳でなく雲の平も行きましたか。というか、マイカーを折立に置いて黒部五郎行ったら雲の平も行かないと、ですね(レンタカーだとコストの面で薬師岳がせいぜいでしょうが)。しかも逆コースの黒部五郎、カールに感動しながら登れてよかったですね。それにしてもテント泊とはすごいですね。私は重量化がしんどそうでテントには踏み切れません(現状でも腰が痛いし)。
いずれにしても天気がよかったようで、私もまた行きたくなりました。来年は雲の平と笠ヶ岳に行ってみたいと思います。
自転車から遠ざかってますが、車との間合いをとりつつ?また小さな旅に出れればと思います。すどうさんもどうぞお気をつけて。

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