中国山地 自転車小旅 三瓶山、たたら製鉄、奥出雲町(砂の器ロケ地)へ(5/22)
昨日午後からの雨は朝には止んでいたが、空はどんよりしていて気温もここ2日よりは下がっているようだ。
7時過ぎにコテージを出発。三瓶山へ登っていく(県道40川本波多線)が山はさっぱり見えない。もう17、8年前になろうか、石見でロングライドイベントに参加して太田市から三瓶山、益田市あたり走ったことがあって、三瓶山を背景にした牧草地が印象に残っていた。今回の再訪を楽しみにしていたが、霧に覆われてしまった。三瓶山麓を一周(県道30三瓶山高原線 三瓶山高原道路)したがずっと霧雨状態だった。
(左 三瓶温泉付近 中 三瓶山の西登山口 山は見えない 右 三瓶山一周道路のピーク付近)
三瓶山一周道路のピーク付近から飯南町に入り東の原付近で県道40に合流、高度をだいぶ下げたら霧は取れて雨粒も一旦なくなった。国道184を横切って10kmほど進むと国道54へ。二桁国道だったが車は少なかった。それは良かったけど雨が本降りになったので雨宿り、雨武装したり小雨になったら雨武装を解除したり忙しかった。旧掛合町に入り、県道38(掛合上阿井線)で旧吉田町へ。緩やかな石畳の坂道が印象的な街並みだった。たたら産業で栄えたとのこと。
(左 飯南町で 中 雨宿り 右 吉田の街並み)
で、「たたら」ってそもそも何だ?と無知な私は思うのだが、パンフレットによると「たたら製鉄とは、土で作った製鉄炉の中で砂鉄と木炭を燃やして鉄を作る日本古来の技術」とのこと。吉田の町から5kmほどの道のり(やや登っていく 県道272 吉田三刀屋線)で菅谷たたら山内があり、土で作られた製鉄炉が現存していて、見学させてもらった。吉田の町の奥には鉄の歴史博物館もあった。私は博物館はみなかったけど、鉄に思い入れのある諸氏には菅谷たたら、鉄の博物館いずれも必見であろう。
(いずれも菅谷たたら山内にて)
時間はまだあり雨も気にならない程度になったので、映画砂の器のロケ地見学へ。県道51(出雲奥出雲線)に入る。この県道は行き止まりとなるのだが直前で飯石ふれあい農道があるので進んで国道314を横切って日登で県道45(安来木次線)にて下久野へ。県道25(玉湯吾妻山線)との交差あたりに比較的新しいロケ地看板が立っていた。砂の器はリアルタイムでは観ていない(学生の頃に観た)。その後中国に滞在や旅行などしていると、多くの中国人がこの映画を観ていて筋や感想を細かく言ってくれるのだけど、私は1回観ただけで記憶が朧げだったので改めて観たり原作(母が昔読んでいたようで、古い本が実家にあった)もざっと読んだりしたことがあった。私は刑事や巡査の側から和賀を観ていたが、話をした中国人はどうも和賀に同情的なのであった。政治的な混乱が彼らに深い傷痕を残していたのだろうと推察するばかりであった。私には映画の美しい田園風景が印象的でもあった。
(左 丹波哲郎扮する今西刑事が地元巡査でジープで案内された道 中 緒形拳扮する駐在所の三木巡査が逃げ出した秀夫を捜すシーン いずれも当時はガタガタ道 右 下久野にあるロケ地の案内看板 比較的新しい)
(親子が最後の別れを惜しむシーンは亀嵩駅ではなく八代駅で撮影された。映画当時は左側に引き込み線があったはず。秀夫は引き込み線の方角から走ってきたと記憶している)
ロケ地をいくつか見てから出雲三成にあるサイクリングターミナルに向かった。
(サイクリングターミナルにて)
走行は100kmやや越えた感じだと思うけど、ロケ地付近でウロウロしたので正確には不明。映画のワンカット撮るのも、調査、準備、撮影に至るまで大変な作業なんだと改めて思ったのだった。今回の旅では「砂の器」ロケ地巡りはしたかった。慌ただしく巡り見落としや断念もあったが、肝心な場所は行けたかなと思う。たたら製鉄見学と合わせて中身の濃い1日だった。三瓶山は今回は残念だったが、後年、山登りで行く機会があろう。
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コメント
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こんばんは。中国山地に行かれたブログで前回コメントしたときに、実は「砂の器」のことを書こうかと思ったのでした。批判はあるのでしょうが、当時あれをはじめてみたときはとても感動しました。共同体を追われて苦難の旅をする親子の情景を、日本の美しい田舎の風景を交えながら伝える映像がすばらしいと思いました。加藤 嘉の名演も忘れ難いし、名前は存じませんが子どもの演技もすばらしいと思いました。駅で親子がいままさに永久の別れとなる寸でのところに派出所を逃げて父親のところにかけていく子供とふたり抱きあってふたり泣いている場面はこちらも涙がでそうになります。中国の方も映画に共感していろいろと語りかけてきたのでしょうね。松本清張の原作は読んでいませんが、たぶん映画の脚色がすばらしいのではないかと思います。わたしも中国地方の山の中を旅してみたいなあと思いました。
投稿: ぱぱろう | 2025/06/02 21:10
ぱぱろうさん、こんにちは。
今回の中国山地麓の旅で、砂の器ロケ地巡りは外せないと考えていました。ワンカットはバラバラに撮っているのに映画としては見事に繋がっているのが改めてすごいなと思いました。原作では音楽家ではないので後半の「宿命」は映画独特の演出となりますね。至極ドメスティックな映画のはずですが海外でこれほど影響があるとは映画の力はすごいものだと思ったことでした。
駅で親子が別れを惜しむ場面(駅)は翌日訪問しました。映画の面影はあるけど、引き込み線がなくなっていたので映画より小さな駅と感じられましたね。派出所は映画撮影のために少し遠い場所に造られたとのこと(看板に書かれてました)。今はもちろんないだろうから今回は訪ねませんでした。道が舗装されたり新しくなったりしてるし耕作放棄地も増えているけど、美しい田園風景が今も広がっているのが嬉しかったです。
投稿: とし | 2025/06/03 08:41
訂正;親子が別れを惜しむ場面はこの日の最後に訪問していました。
投稿: とし | 2025/06/03 19:06